卒業式まで残り約一ヶ月。
出来れば卒業までには復縁したい。

半ば強引に家に侵入したからには、この一泊二日内で彼の境界線の領域まで足を踏み入れたいところだ。


急遽、私と話をせざるを得なくなった蓮。
親が寝静まっている静かな環境と、彼の部屋ならではの密室空間により、私の悪知恵は更にエスカレートへ。



梓は着ていたピンクのタートルネックのセーターを、蓮の前で堂々とゆっくり脱ぎ捨てた。
上は下着一枚で、下は黒いホットパンツ姿に。



「お前…っ、何やってる……。」

「だって、服を脱がないとパーカーに着替えられないじゃん。」



こっそり家にお邪魔した上に、他に着替える場所がないというこの環境を味方にした。


当然、身体を魅せるつもりで服を脱いだ訳じゃない。
明日の話し合いに向けて、少しでも自分の立場を有利にする為に、蓮の心をちょっと刺激する程度と考えていた。


しかし、蓮は数ヶ月ぶりに見る私の身体から目線が外せない。



さすがエロ蓮…。
ってか、瞳孔開いちゃってるし。

だけど、過去に何度も愛されている私には、蓮の前で服を脱ぐ事なんて朝メシ前。
忘れる努力をしているからと言っても、一度身体を見れば心を動かす効果くらいはあるだろう。