蓮の自宅には深夜に到着。
既に入眠している両親は、私達の帰宅を知らない。
暗闇に包まれている蓮の自宅。
玄関に上がると、泥棒のような足取りで二階に進んだ。
どんなに部屋が暗くても、二年間通い詰めた蓮の部屋までは目をつぶったままでも辿り着ける自信がある。
勢い余ってお泊まりする事を決めてしまっただけに、明日の両親の反応が気になるところだ。
家に潜入したからには一刻でも早く復縁を迫りたい所だが、酔っ払っているフリをしている今日は、まともに取り合ってはもらえないだろう。
蓮は部屋に着くと、扉を開けて照明のスイッチをオン。
梓は次いで部屋に入り、部屋の掛け時計で現在の時刻を確認。
すると、時計の針は24時半をさしていた。
もうこんな時間かぁ…。
明日こそは思いを伝えなきゃいけないけど、蓮の両親が寝ているこのチャンスを無駄にしたくない。
寝るまでの時間に少しでも蓮の感情を動かしたいな。
……あっ、そうだ!
いい事思いついた。