「決まってるじゃ~ん。奏達に頼み込んで、蓮と二人きりで遊ぼうと思って待ってたのぉ~。」

「お前…、正気なの?!ここがどこだかわかってんの?」



しかし、梓は目を丸くしている俺を困らせるかのように半分茶化しながら答えた。



「うっふっふ……、勿論わかってるぅ。蓮に会いたかったのぉ。」

「…しかも、そんな短いパンツ履くんじゃねぇよ。他の男が見るだろ……。」



蓮はそう言うと視線を外し、不服そうな表情で頬を赤く染める。



「…え?まさか、私の心配を?」

「早く帰れ。ここはお前が来るところじゃない。」



梓は、自分は良くて人はダメ的な蓮の身勝手な見解を不服に思い、ふくれっ面を見せる。



「あっそう。蓮が遊んでくれないなら、私一人で中に入っちゃおっかな〜。どうしよう…、イケメン達にナンパされちゃったら。」

「……は?マジで言ってんの?イケメンがお前に声かける訳ないだろ。(こう言えば諦めてくれるかな)」



梓は蓮のひと言にカチンとくると、口を尖らせてそっぽを向いた。



それ、どーゆー意味で言ってんのかな。
私の事をブスとでも言いたいの?
この前はかわいいって言ったくせに。
蓮ったら、本当に酷いんだけど。



「はぁはぁ、そうですか~。じゃあ、イケメンにナンパされたらついて行っちゃおうかな〜。」



梓は心配を他所に蓮の心を逆なでした。



正直、お前の冗談は笑えねぇ…。

残念ながら、奏も大和もこのクラブでナンパしまくっていて、気に入った女を速攻お持ち帰りしているから。