「クリスマスパーティのカラオケ後に、蓮と愛の逃避行するなら先に言えよ。あの後、紬と一緒にお前らを探したんだぞ。」

「愛の逃避行じゃないのになぁ…。」



大和には、紬の為に敢えて二人きりにしたとは言えなかった。


意図的に仕組んだと言ったら、さすがの大和でも紬の気持ちに気付いてしまうはず。
紬の為にと思ってこの件は口を噤んでおこうと思っていたけど…。



「紬の唇、柔らかかったなぁ。」



大和は突然耳を疑うような爆弾発言を口にした。



「……えっ?!」

「あいつにチューしたら震えてんの。顔を見たら真っ赤になっててさ。見ている俺まで照れ臭くなるって言うか……。あいつって、見た目以上にピュアなんだな。」


「まさか、大和…あんた。」



何……。
大和が紬にチューしたって?


正気なの?
大和だって紬の友達でしょ。
あんたの使い捨て彼女とは違うんだよ。
紬はあんたに本気なのに…。

しかも、紬からその報告を聞いてないんだけど。