ーー購買部内は人混みでごった返している中。
梓は昼食用のパンを一人で選んでいると…。



「よぉ!元気ィ?」



サンドウィッチを口にくわえてコーヒー牛乳とカレーパンを手にしている大和は、次々と押し寄せてくる生徒達でもみくちゃになりながらも、梓に気付いて声をかけた。



「あ、大和!久しぶり。会うのは確かクリスマス以来だよね。最近、顔合わせてなかったよね?」

「あぁ。メシ代払うまでちょっと待っててー。途中まで一緒に戻ろうぜ。」



それぞれレジで会計を終えると、お互いの教室の別れ道まで一緒に戻る事に。



大和とはたまにしか会わないから、お互いの近況をよく知らない。

大和は彼女がいないせいか、心が暇で人の事をやけに知りたがる性分。
天然かどうかわからないけど、大和と喋っていると話がややこしくなる事があるので、たまに面倒くさい。



秘密にしていた高梨先生との関係を紬に知られたのも、半分はこの男が原因。
余計な口が災いを齎している。


まさか、人の恋愛話をうまく引き出して、自分の恋愛の参考にしようと目論んでいるのだろうか…。