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バタン…
蓮の部屋で受験勉強をしていると、1階の玄関から扉が閉まる音が耳に入った。
すかさず部屋の壁時計で現在の時刻を確認。
19時24分
蓮の家にお邪魔してからおよそ三時間が経過していた。
窓の外を見ると、外は暗闇に。
蓮と話がしたくて部屋で待っていたけど、蓮の香りに包まれているこの場は、いつしか不安な気持ちをかき消していた。
玄関扉の音は、恐らく蓮が帰宅した合図。
しばらく待っていても、蓮はなかなか部屋に入って来ない。
きっと、母親は私がお邪魔している事を伝えてる最中なのかもしれない。
いつでも話ができるように、机の上に広げていた教科書やノートをカバンにしまっていると、蓮はようやく二階の部屋に入室。
部屋に入るなり冷たい視線を浴びせた。
「蓮、おかえり…。」
「何しに来たの?自分の家に帰れよ…。」
蓮は長らく一人きりで待っていた私を冷遇する。
だけど、これは想定内。
無視され続けているより、少しでも話してくれている今の方が気持ち的にずっとマシだから。