梓は部屋の隅に置いていた自分のカバンに手を伸ばして、蓮の為に購入していた純白色の合格祈願のお守りを取り出した。



お守りは手渡しするつもりだった。

でも、もし受け取ってもらえなかったら買った意味がなくなるから、2段目の引き出しにしまっておこう。
そうすれば、少しでもお守りの効果が発揮するかもしれない。



梓はお守りと一緒にメモを忍ばせる事にした。



次にいつ引き出しを開けるか分からない。
ひょっとしたら、私との思い出を整理する為にどこかのタイミングで開けるかもしれない。



梓は小さな期待を胸に、カバンの中から取り出したメモ帳に今の気持ちを書き綴った。



「よし…、出来た。」



メモを書き終えると、お守りの横に添えて引き出しの鍵を閉めた。