蓮は今日もストーカーのように私を追い回してくる。
唯一、トイレの時だけが私に与えられた自由時間。
別れてから距離を置いていたし、先生と付き合い始めたから少し忘れていたけど……。
蓮の執着心ははっきり言って異常だ。
そんな毎日に疲れながらも…。
トイレから出て来たばかりの私に、蓮が率いるイケメントリオの一員であるワイルド系イケメンの大和が声をかけてきた。
「おぅ、梓。久しぶりじゃん。」
「あっ…大和!最近全然見かけなかったけど、元気だった?」
「俺らは校舎の棟が違うからあまり会わないよな。蓮、学校に来てる?」
「いるいる。一日中、私の傍から離れないよ。」
大和とは、蓮と交際していた時に一緒に遊んでいた。
別れてからすっかり疎遠になっていたけど、久しぶりに話したらあの頃の感覚が自然と戻ってきた。
「…マジか。あいつ、まだ梓の事諦めてねーの?」
「大和からも何か言ってよ…。」
「また付き合えばいいじゃん。」
「それは出来ない。」
「何で?」
「うっ……。それは…。」
復縁出来ない理由を突っ込まれても、残念ながら言い返せない。
秘密の恋愛は、どの角度からも私を苦しめている。