奏の話は自分が知らない事ばかり。
先程話を聞かなければ、蓮の本心を知らずにやり過ごしていただろう。



塾に通ってる事。
悩み事があった事。

それに、話をちゃんと聞いてあげなかった事。
信じてあげなかった事。



蓮は私との将来を思い描いて頑張っていたのに、私は遊んでばかりいると思っていた。
内面をしっかり見てあげなかった証拠かもしれない。



気付けば、つい先日別れたばかりの先生にも同じ事をしていた。
ゆっくり話を聞いてあげたり、信じてあげていたら、また違う未来が用意されていたかもしれない。



私は昔から全然変わっていない。
蓮は、私との将来を見据えて頑張ってくれていたと思うと、自分の考え方が浅はかで嫌になった。