ーー高梨と別れてから、二日後の月曜日。

梓が暗い顔で目を腫らしながら登校すると、紬は梓の肩をそっと抱いて人通りが少ない理科室前へと連れ出した。



「大丈夫?…学校辛い?蓮くんとは同じクラスだから、顔合わせにくいもんね…。」



そう…。
紬は、私が蓮の事で思い悩んでいると思ってる。

だけど、今回の悩みは蓮じゃない。
先生を傷付け事が想像以上に苦しくて、涙の週末となった。



先生との交際を知っている紬には、別れた事実を伝えなければならない。



「違うよ…。あのね、今から紬に大事な話があるの。」

「ん、何かあったの?」


「…私、土曜日に先生と別れたよ。」

「えっ…、どうして…。」


「先生の建前はお互いの歯車が噛み合わなくなってた事を理由にしてたけど、実際は私の気持ちが離れていた事や、蓮への気持ちに気付いてたんだと思う。」



紬は傷心している梓を心配して背中を二回優しくさすった。