ーー学校が始まって初めての週末。
今日は空気が澄んでいて空が青々としている。

先生と二人きりで会うのは、クリスマス以来のこと。
私は自宅付近まで迎えに来てくれた先生の車に乗り込んだ。



今日は先生とお別れをするつもりでいる。
自分の気持ちに気付いてしまったからには、ケリをつけなければならない。



いつも通り県境に向けて運転をしている先生。
きっと私が別れたいと思っているなんて知るはずもない。



どうやって話を切り出そうかな。
どうすれば先生が傷つかなくて済むかな。


私は心の中で葛藤を繰り返しながら、窓の奥の景色を眺めていた。






車内に沈黙が続く中、いつも立ち寄るサービスエリアに到着。

高梨はシートベルトを外し、後部座席に置いてあるひざ掛けを片手で取って梓の膝に敷いた。



「スカートだから足元が冷えて寒いよね。……気付かなくてごめん。」

「…ううん、ありがとう。」



先生はいつも通り優しい。
小さな事でもちゃんと気にしてくれる。
だから、余計に話を切り出しづらくなっていた。