机の中にしまっておいた教科書を取り出すと、ハサミで細かく切り刻まれていたり。

机の上に油性マーカーで『ブス』とか『消えろ』とか酷い事を書かれていたり。

昇降口付近を歩いていると、頭上からバケツ一杯分の泥水が降ってきたり。

登校すると、上履きが行方不明になってたり。
……あっ、でもその日は何故か午後に上履きが戻ってきていた。
いつもなら消えたまま戻って来ない事が多いのに。



嫌がらせは減るどころか、エスカレートしていく一方。
きっと、私の存在が気に食わないのだろう。


結局、私は蓮と付き合っても別れても嫌がらせを受ける運命に。



もう慣れている。
2年以上も見えない敵と戦い続けたから、さすがに慣れているんだけど…。

残忍な嫌がらせを忘れてしまうくらいの辛い出来事が、すぐ目の前に待ち受けていた。