そっと唇から離れた先生は、優しく微笑んで私の髪をクシャッと軽く握った。
大人の色気を醸し出す笑顔がたまらない。
「これから職員会議があるから、もう職員室に戻るよ。梓は寄り道しないで帰りなさい。」
「うん…。また、明日。」
柔らかい笑顔で職員室に戻って行く先生に手を振って見送る。
先生は扉に手をかけると、別れを惜しむように優しく微笑み返した。
先生は用具室の扉を開けて先に出て行く。
私は手元の時計とにらめっこして、先生が出て行ってから3分後に用具室を出る。
それが私達のルール。
二人同時に部屋から出ない。
今日もいつも通り。
先生と交際を始めてから三ヶ月間、ずっとこんな感じでお忍びデートを繰り返していた。
このスリリングな密会が、教師と生徒という関係の私達の気持ちをより一層燃え上がらせていた。