だけど、予想以上に事態は深刻だった。

クリスマスの日を境に彼の態度は一変し、まるで別人のように私との接触を避けた。


声をかけようとすると、蓮は返事もせずに教室からいなくなる。
少し前まで私と紬と蓮の三人で食べていたお昼ご飯ですら、別々に食べるように…。



呼び止めても無視。
話しかけても無視。

まるで私自身が透明人間になったかのように。


朝、教室に来たら『おはよう』って迎えてくれた温かい眼差しは、ボーダーラインを色濃く描いた日に消えた。


紬には会話や返事をしているのに、私の声だけが耳に届いていないように感じに。
紬も関係に亀裂が入った私達の心配をしている。



次第にクラスメイトも私達の異変に気付き始めた。
毎日ベッタリだった蓮が私を無視しているのだから、クラスメイトは私が蓮をフッたと思った様子。



そして、噂は次第に全校生徒へ。

蓮のファンの怒りは更にヒートアップ。
頭を悩ませていた嫌がらせ問題は、収まるどころか悪化の一途を辿っていく。
蓮からの無視に重ねて、更にこの問題までもが深刻化していった。