ーークリスマスを来週に控えた、12月中旬のある日の放課後。

蓮と一緒に帰る約束をしていた私と紬は、教室からふと姿を消した蓮の行方を追っていた。



「蓮くん、どこに行ったんだろうね?」

「あんなに一緒に帰るってギャーギャー騒いでいたのに、自分が先にいなくなっちゃうなんて信じられない。」



蓮のスマホは鞄の中に入っているようで、何度鳴らしても連絡がつかない。
仕方ないので紬と手分けをして校内を探す事に。



しかし……。
校内を隅々探しても蓮は一向に見当たらない。
鞄が置いてあるからまだ学校にいるのは確かなんだけど。



キョロキョロと見渡しながら二階の渡り廊下を歩いていた時、開いている窓からビュウっと冷たい風が身体に吹き付けた。

その瞬間、毎年恒例であるあの事をふと思い出した。




ーーそう。
彼には年に二度訪れる、ある特別な恒例行事がある。

それは告白ラッシュ。


一度目はクリスマス。
二度目はバレンタイン。


交際が長かった分、この時期に訪れる行事がよくわかっていた。
彼女がいてもいなくても関係なく、年に二度は執り行われる。



クリスマスを間近に控えたシングルの女子達の狙いは、クリスマスを彼氏と一緒に過ごす事。
時には友達ですら恋のライバルに。



そんな彼女達のターゲットは、自然とイケメントリオに。

一方のイケメントリオは、度重なる告白で足止めを食らってしまい、自由が利かない日々が続いてしまう。