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「梓…。あのね、この場では非常に言いにくいんだけど……。」

「ん?(つむぎ)…どうしたの?」



「梓と蓮くん…。また付き合い始めたの?」

「まさかぁ、そんな訳ないじゃん!」

「俺はやり直す予定だけどな。」



一年と三年で同じクラスになった、親友の紬。
茶髪のストレートで肩甲骨まである長い髪。
童顔でぽってりとした唇が特徴的だ。

紬とは一年の頃に名前順が前後で、アイドル話が盛り上がって一瞬で仲良くなった。



今は教室で紬と二人でお昼ご飯を食べている最中だが、蓮はわざわざ椅子を持参して勝手に相席。
そして、会話にまで割り込んでくる。



紬は、私が行動する度に金魚のフンのように付きまとう蓮を毎日傍で見ていたから、きっと何かを感じ取ったのだろう。

彼女自身も同席している蓮の前で、こんな話をするのはかなり勇気が必要だったはず。



でも、わざわざ蓮本人の前で聞かずに、空気を読んで手紙やメッセージで聞けばいいのに…。





実は、紬には先生との関係を伝えていない。
先生の解雇と自身の退学がかかっているだけに慎重でいる。

だから、彼女が知る私の恋愛は蓮が最初で最後の人。



「じゃあ、梓は俺と付き合う可能性、何パーセントくらいあるの?」



蓮は私の恋愛事情を知ってるクセに、お箸でつまんだご飯を口にほおばりながらイジワルな笑顔を向ける。

先生との進行形の交際を知らない紬の前で、私を窮地に追い込んでくる。