差し迫る時間と湧き立つ怒りでイラついていたから、早口気味に本題へ入った。



「昼休み終了まで時間がないから、手短に話すから。」

「お前…、腹の調子は……。」



蓮は私に嘘をついて多大な迷惑をかけてきたから、今は体調を心配する言葉すら信用できない。



「そんなのどうだっていい。」

「腹が痛そうにしていたから心配したのに、どうだっていいって…。お前っ…、まさかの仮病?」


「あぁ…もう、うるさい!蓮はどうして私が病気だとカン違いしていたと気付いた時に、本当の事を教えくれなかったのよ。」



言いたかった事を口に出した瞬間、今までの色んな想いが駆け巡った。


自分は蓮に何をしてあげれるか、
倒れたらどうしようとか、
蓮がこの世からいなくなったら、とか。


いつも心配でどうしようもなかった。
蓮の事を考えてる時間は、他の事を考えられない時間に。
今は本物の彼女じゃないから出来る事は限られてしまうけど、それでも最大限に頑張ってきたつもりだった。


だが、蓮はムスリと不貞腐れた顔で言った。



「失礼な…。病気は嘘じゃない。」



耳を疑うような嘘臭い返答に、梓の怒りが更にヒートアップする。