ーー先生との関係が、紬にバレてしまった翌日。

前日から私達の事を心配していた大和は、スマホのメッセージを送って昼休みに私を屋上へと呼び出した。

冷たい風が頬を撫でる。



「昨日…、ゴメンな。紬に秘密をバラすつもりはなかったんだけど…。あの後、大丈夫だった?」

「…ううん、いいの。いずれは知る日が来ると思っていたから。」



今日は紬にこれ以上心配かけぬように『進路相談があるから職員室に行ってくる』と伝えて教室を出た。

また、嘘をついた。
どんな小さな嘘でも気が引ける。



大和には昨日の話し合い結果を報告するべきだと思っていたので、呼び出してくれてちょうど良かった。



「紬はやっぱり先生との恋を歓迎してくれなかったよ。」

「そりゃそーだ。紬はお前の危険な賭けを許す訳がないだろ。」


「偽恋人じゃなくて、本気で蓮とやり直して欲しいと思ってる。」

「蓮はお前に一筋だからな。まぁ…、お前も少しは蓮の方を見てやれよ。」


「少しはって言われても…。蓮とは半年以上も前に終わったから。」

「虚しいな…、あいつは。そうやってゴチャゴチャと面倒くさかったりするから、俺は女と付き合いたくねぇんだよ。」



本当は紬の恋を応援したいと思っているけど、実は捻くれた私が地味に恋路を邪魔しているのかもしれない。