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「クリスマスどうするの?先生と一緒に過ごすの?」
「…んー、まだわからない。」
大事な話が終わって蟠りが解けた頃。
私達は駅ビルに入っている雑貨屋さんのクリスマスコーナーを一緒に見ていた。
「わぁ!カワイイ。見て見て。このサンタクロース手のひらサイズだね。膝の所が紐になっているから、座らせると足がプラプラするよ。」
「どれどれ?……あ!カワイイ!」
紬は手のひらサイズの木製のサンタクロースの置物が目に止まり、手に取った。
指でサンタクロースの足元をちょんちょんとつっつき、つま先を揺らす。
「もう卒業が近いから、蓮くん達とパーッとクリスマス会をするのも楽しそうだね!」
「そうだね。でも、蓮はいいとして、大和も奏も忙しいんじゃない?」
…と、何気なく大和の名前を出した途端。
紬は焦ったように顔を赤くして、手に持っていたサンタクロースの飾り物を床に落とした。
きっと紬は、階段から足を踏み外そうとしていた時に、後ろから抱きしめて助けてくれた大和の事をフラッシュバックしてしまったのではないかと思った。
私の恋を一生懸命応援してくれる紬だけど、自分の恋愛となると消極的。
控えめな性格が損をしているのかな。
一方の大和は、人と交際する気が全くない。
自分の恋ですら満足していない私は、一方通行である紬の恋愛をどう応援していいかわからない。