私達は、この場で秘密話を続ける事が危険と判断した。
紬とは落ち着いた場所で話をするという約束を交わして一度教室に戻る。
大和は耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら机に寝そべる蓮を起こして一緒に教室を出て行き、私と紬は学校を出てから駅前のファーストフード店へ移動した。
紬は大和のお陰で話を聞いてくれる気になったけど…。
真実を隠していたのが許せないのか、お互い目を合わせられないほど気まずい空気が流れていた。
「高梨先生とはいつから付き合ってるの?」
「…7月下旬。夏休みに入る前日から。」
「そっか……。私はその頃から梓の秘密を知らなかったんだよね。私達、親友なのに…。」
「ごめん。学校にバレるのが怖くて言えなかった。油断して先生の話を話題に挙げてしまったらマズイと思って…。」
紬は自分勝手な私にガッカリしている。
親友とはいえ、先生との関係がバレてしまった以上、ありのまま話さなければならないと思った。
蓮と別れた直後に高梨先生と個人的に関わりだした話から、先日先生とのデートの最中に蓮に呼び出されてデートをすっぽかして蓮の家に向かった話まで。
紬に隠していた全てを包み隠さずに伝えた。