✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼



「紬、日誌だけ先生に渡してくるから教室で待ってて。すぐに戻るから。」

「ん、行ってらっしゃい。」



ーーある日の放課後。

日直だった私は、一日の出来事を学級日誌に書き終えてから職員室に向かった。
職員室の扉を出ると、同じく学級日誌を持った別棟のクラスの大和にバッタリ遭遇。



「大和も今日、日直だったの?」

「大和も…?確かに俺は日直だったけど、お前は何か悪さをして職員室に呼び出されたんだろ?恥ずかしいからって嘘つくなよ。」


「あー、はいはい。そうですよ~。私はいつも悪者ですよ。」

「…ったく、冗談が通じねぇな。いま日誌を出してくるからちょっと待ってて。蓮に用事があるからそっちのクラスに一緒に行こうぜ。」



大和が職員室から出て来てから一緒に廊下を歩いた。
放課後という事もあって廊下は人通りが少ない。

普段二人きりで話す機会のない大和に気になっている質問をした。



「ねぇ、何で彼女を作らないの?」

「急にその質問?女を作らないのは面倒くさいだけ。ヤキモチは妬かれたくないし、会う為にお互いの予定を合わせなきゃいけないだろ。」


「…でも、大和を一途に想ってくれる人もいると思うし、付き合ってみれば案外楽しい事があるかもしれないよ?」

「俺は束縛が嫌なの。女ってのは、男が他の女と遊ぶだけでギャーギャー騒ぐだろ?俺は色んな女と遊びたいのに騒がれるのは勘弁。」



大和を純粋に想い続けている紬には大変申し訳ないが…。
大和と紬はお互い求めているものが違い過ぎる。



でも、私からすると、大和はまだ本物の恋が見つかってないのかなぁと思う。