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「学校………、辛くない?あんなに陰湿な嫌がらせを受けてさ。」
「んー、蓮と付き合ってた頃の方が大変だったよ。」
「じゃあ、今が大変だな。」
「今は偽でしょ、偽恋人!」
勉強が一段落した後、リビングに移動して蓮が淹れてくれたコーヒーを一口ゴクリ。
蓮は嫌がらせの件を心配している。
私自身も先日のお弁当箱の一件がずっと心に残っていたから、蓮の配慮が胸に沁みた。
「俺はお前に90パーセント以上の努力をしているけど、お前は10パーセントの努力をしてくれてる?」
「その10パーセントは学園祭の時に使ったでしょ。あの後は大変な目にあったけどね…。」
「実はまだちょっと残ってるとか…。」
「残ってないっつーの。」
「あはは、ざんねーん。」
「……でも、蓮は私のどんな所が好きなの?私なんて何の取り柄もないのに…。」
蓮の気持ちを冗談半分で聞いた。
偽恋人は蓮にメリットなんて一つもない。
それなのに、いつも体を張って全力で私を守ってくれる。