蓮「当たりめーだろ。ちげーよ。」
大和「何だよ…。心配して損した。」
奏「まさか!時間がないって…。以前、蓮とクラブで一緒に飲んでた時のあの時の話か!」
奏は蓮の相談を受けた時の話を思い返した途端、『時間がない』の意味が閃いた。
大和「あの時の話って?」
奏「あーっ。もう、お前は面倒くせーな。話がややっこしくなるから入ってくんな。」
蓮「あぁっ!もしかして…。」
確かに俺は、梓に『時間がない』と言った。
でも、『その時間がない』は、人生の時間じゃない。
梓が高梨の元に嫁いでしまうかもしれないという意味を含めた、卒業までの時間がないの意味だった。
大和「だから、あの時の話って何?」
奏「時間がないって話を梓がどこかで履き違えたんだな。」
蓮「マジかー。結局俺のせいかよ…。」
蓮はテーブルに肘をついて頭を抱える。
だが、二人の話の内容を知らない大和は、まるでオウムのように何度も何度も同じ質問を繰り返す。
大和「卒業まで時間がないから、一体何なんだよ。」
奏「大和。お前しつけーな。」
蓮「最近、薄々おかしいなと思ってたんだけど…。俺は不治の病中だから、梓はやけに身体を心配してたんだな。今ようやく繋がったわ。」
いま大和に話してもらうまで知らなかったけど、俺はいつの間にやら不治の病と思われていたらしい。
しかもピンピンなのに、何故不治の病に繋がったのかがわからない。
ここ最近、みんなから可哀想な目で見られていた意味がようやく理解出来た。
…いや、まてよ。
梓が俺の身体を心配してくれてるという事は、今は病気の方が都合がいいかもしれない。