蓮「……何言ってんの?…余命ならあと60年くらいある予定だけど。」



日本人男性の平均寿命に乗せて答えた。
ま、こんなものだろうと。
だけど、大和は眉をピクリと動かした後、真顔で聞き返してきた。



大和「えっ、60年?そんなに………、あるのか。」

蓮「は?そんなにって言われても…。普通そのくらいじゃないの?」

奏「…。」



話の意図が全くわからない。
しかも、そんなに切迫したような表情で言われても困るんだけど。



大和「嘘をつくな。お前とは2年半の付き合いだから、もうわかってるんだ。お前、先は長くないんだろ?」

奏「よせ、大和!はっきり言うな。…ってか、空気読め!」

蓮「えっ…?俺の先は長くないの?…知らなかった…。」



俺はこの二人が何を言ってるのかさっぱりわからなかったから首を傾げた。

何でいきなり俺の余命話に?
冗談だとしても、二人とも熱演し過ぎだろ。



大和「はぁ?知らなかったって…。俺がこんなに心配して聞いてるのに、しらばっくれるつもり?大事な話をしてるのに…、お前の頭は無事か?」



と言って、先程まで心配そうに見つめていた表情から一変した大和は急にキレ出した。
大和がバカにした態度についカチンとなって、俺も喧嘩腰に言い返した。



蓮「失礼だな。俺はお前の頭より無事だ。」

奏「…おっ、おい。」

大和「お前の頭よりとはなんだと、こらぁ!」


蓮「やるか?こらぁ。」

奏「…二人とも、もうやめろ。(こいつら面倒くせぇ…)」



お互い巻舌状態でカッと熱くなると、奏は手振りを加えて仲裁に入った。