私は停学…若しくは退学…かなぁ。


先生はどうなっちゃうの。
転勤?……それとも、懲戒免職?

現役教師と教え子の恋愛だから、先生は社会的制裁を受けなきゃいけないのかな。



ーーそんな事を頭に思い浮かべている私と隣に立つ高梨先生は、今。

教頭先生に呼ばれて校長室へやって来た。



室内には、校長先生、教頭先生、高梨先生…そして私の四人。

以前、脳裏を過ぎった光景が現実のものとなり、私達が一番恐れていた事態がついに起こってしまった。





校長先生の机の上には一枚の写真。

そこには、後夜祭の時に撮られてしまったかと思われる先生とのツーショット写真。
二人の距離はとっていたけど、暗闇の中に二人きりだという事は一目瞭然だった。

誰かがこの写真を撮って、最終的に校長先生の手元に周ったと思われる。



誰の仕業か判らない。
これは、みんなの目を搔い潜って先生に会いに行った私への罰かもしれない。



重苦しい沈黙が続く中、校長先生は手元の写真をスッと前に差し出した。



「高梨先生。この写真について詳しく説明して下さい。どうして照明が落とされた暗闇の教室で生徒の菊池さんと二人きりだったのでしょうか。」



校長先生は厳しい口調で高梨先生にそう詰め寄った。


私達以外にもこの学園で教師と生徒の恋愛関係が発覚した前例があったようで、同じ事が二度と起こらないよう先生達は互いに厳しく目を光らせていた。

しかし、一昨年赴任してきたばかりの高梨先生は、その事に関して知らされていなかった。