ーーすると、教室の前で足音が止まったと同時に、物凄い勢いで教室の扉が開いた。



バーン……



恐怖で足が竦んだ。
暴れ狂う鼓動に額に滲む冷や汗。
扉の方を直視する事が出来ずにギュッと目を強く閉じた。



もうダメだ…。
私達の関係がバレたかもしれない。



暗く静まり返っている教室に、教師と生徒が二人きりで過ごしていたなんて、どんなに弁解をしても信じてもらえないだろう。


後夜祭を抜け出して、安易に来るんじゃなかった。
きっと私達の関係が第三者に知れ渡ったら、学校中では大騒ぎになる。

私と先生は、教師や生徒だけでなく世間からも白い目で見られてしまう。



私達、これからどうなっちゃうのかな。


卒業まであと少し我慢すれば、卒業後に堂々と先生に会えたのに。
どうして、そのあと少しを耐え抜かなかったんだろう…。


私達はもうおしまいかもしれない。




怖い。
怖いよ………。



今さら後悔してもどうする事も出来ないから、半ば諦めていた。
どんな言い訳や弁解をしたって、二人きりの現場を抑えられてしまったなら意味がないのだから。