しかし、先生はさらりと返答。



「ノートはそんなに重くないから日直の菊池だけで十分だよ。」



だが、高梨の存在が気に食わない蓮は挑発的な態度をとる。



「せ~っかく大変な役割を分担しようと思っているのに。先生は俺が男という理由で断ろうとしてるの?それとも、先生は菊池と2人きりがいいから俺が邪魔ってか?ひっでぇ~。」



蓮が冗談交じりで言ったその一言は、まさかの難癖。
教室中はドッと笑いに包まれる。

だが、笑ってないのは私と先生と蓮の三人だけ。



先生は、私達の関係が蓮にバレている事を知らない。
わざと先生に嫌味を言う蓮。
それを黙って聞くしかない耐える私。

チラッと上目遣いで先生の方を見ると、若干口元が苦笑いをしている。



「柊……。つまらない冗談はやめなさい。率先して手伝おうとしてくれる気持ちは嬉しいよ。だけど、お前だけ特別に成績を上げられないからな。」

「はーい。」



先生は小学生のように茶化してくる蓮に大人な対応。
どうやら、今回は引き下がった模様。