とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


 本には転移魔法は火、水、風、土の四大属性の他に、光属性と闇属性を極めないと使用できないと書かれている。すべての属性をバランスよく操り空間を歪めて移動する魔法だと説明されていた。

「なるほど……そうすると僕の場合は火と光の鍛錬が必要だな」

 四大属性の魔法を極めると上級魔法に変化する。火は炎になり、水は氷になり、風は雷になり、土は結界に進化するのだ。炎と雷を極めれば光属性が使えるようになり、氷と結界を極めれば闇属性が使えるようになる。

 水属性はもともと得意だったのと、ハーミリアを守りたかったから土属性を極めるのは割と早かった。僕の結界魔法を込めたブレスレットを送るのに必死だったんだ。

「ライオネル様、少し休憩されませんか?」

 方向性が決まったところで、ジークがお茶の用意をしてきてくれた。言いたいことをはっきり口にするし、言葉が悪い時もあるけれど優秀なのだ。

「ああ、ちょうどひと休みしようと思っていたんだ」
「読み終えた本は片付けてきますよ」
「ありがとう、助かる。それではこちらに積んであるものを頼めるか」