ライオネル様と想いが通じた二日後、わたくしはいつものように迎えにやってくるライオネル様の馬車に乗り込んだ。

「ライオネル様、おはようございます」
「ハーミリア、おはよう。ああ、今日も麗しいな」
「っ! ラ、ライオネル様には敵いませんわ」
「なにを言っている? 君ほど可愛らしくて美しくて天使のような女性はいない」
「そ、そうですか! は、は、早く行きませんと、遅れてしまいますわ!!」

 ライオネル様が溺愛モード全開で朝から攻めてくる。

 今までが嘘みたいに、甘く柔らかく愛しくてたまらないと言わんばかりに見つめられて、神々しいほどの笑顔を浮かべている。

 ただでさえ早鐘を打つように動く心臓は、壊れそうなほど激しく鼓動していた。

「それよりも、魔道士を手配してくださって本当にありがとうございました。お陰様ですっかり元通りですわ」
「本当に元気になってよかった……」

 そう言って切なそうにアイスブルーの瞳を細める。