「貴女、ライオネル様を自分のものにしたくないの?」
「それは……」
そんなの、当然自分の婚約者になってほしいに決まってる。でも男爵令嬢のわたしでは侯爵令息のライオネル様とは身分が違いすぎる。そんな簡単に頷けるものでもない。
「貴女が本気でライオネル様を自分のものにしたいなら、私が協力してあげるわ」
「ほ……本当ですか?」
「もちろんよ。でも、失敗する可能性もあるから、無理強いできないの」
「や、やります! ライオネル様の婚約者になれるなら、わたしなんでもします!」
マリアン王女が味方になってくれるなら、こんなに心強いことはない。
「そう、よかった。実は私陰ながら貴女を応援していたのよ。もしうまくいったら悪いようにしないから、その時は私に任せてもらえる?」
「は、はい! ああ、ずっとライオネル様をお慕いし続けてきてよかったです! こんな風に報われるなんて思ってもみませんでした!」
急に開けた未来に心が躍る。
ずっと無理だとあきらめていた恋が叶うかもしれない。



