わたくしの頭の中を、過去の記憶が走り抜けていく。
確かに態度はそっけないけれど、その行動はまるでわたくしが宝物だと言わんばかりでしたわね?
どんな遅くても馬車で送ってくれたし、茶会や夜会のために贈ってくれたドレスは必ずアクアマリン宝石が飾られていたり薄いブルーやシルバーのお色でしたわ。
ほかの男子生徒と話していると、いつの間にか後ろにいていつもより機嫌が悪そうでしたわ。
なんてことっ! なんてもったいない勘違いをしていたのかしら!!
一生の不覚ですわ——!!!!
その後もライオネル様の言動を思い返し、喜んでは後悔して全然眠れなかった。



