歯が痛いのなんて忘れて、ライオネル様に微笑む。
あふれるほどの愛を隠さずに、わたくしにもあなたが必要なのだと今すぐ伝えたい。
わたくしは精一杯の愛を言葉にした。
「ライ……ネル、さ……す……き」
「っ! ハーミリア、それは……本当に?」
もうそれ以上は話せなくて、こくりと頷くと感極まったライオネル様がきつく抱きしめてくれる。
「ハーミリア! ハーミリア! ああ、僕の女神!」
今度は嬉し涙を流して、震えている。
そんなライオネル様が愛しくてたまらなくて、わたくしもそっと背中に手を回した。
わたくしにだけ見せてくれるライオネル様の泣き顔も、笑顔も、真剣な横顔も、情けない顔も、すべて包み込んで愛したい。
ずっと嫌われていると思っていたけど、それは間違いだったのだ。
今のライオネル様の様子が演技なら、もういっそ一生騙されてもかまわないと思う。
もしかしてライオネル様は、気持ちをうまく表現できなかっただけなのかもしれない。
本当はライオネル様がとても不器用な方だと知っているから。



