僕がズルをしたからなのか、やはり情けないままでどうしようもないからなのか、ハーミリアから拒絶の言葉を受け取ってしまう。
《ライオネル様、落ち着いてどういうことかお尋ねください。……ライオネル様、聞こえてますか? ライオネル様?》
通信機からジークの声が聞こえてくるが、頭の中にまったく入ってこない。
ただただ、目の前の【もう手土産は不要ですわ】という文字がぐるぐると駆け巡っている。もう見舞いにも来てほしくないのだろうか?
それもそうか、いくらハーミリアが好きすぎるからといって酷い態度しか取ってこなかったのだ。
そんな男の顔など見たくないに違いない。
でも僕は、ハーミリアをあきらめたくない。
お願いだから、僕のそばからいなくならないで。
情けない僕が嫌いなら、変わるから。どんなことでもするから。
「お願いだ、ハーミリア! 僕を捨てないでくれ! どんなことでもするから嫌いにならないでくれ!!」
気付けば床に膝をつき、みっともなくハーミリアに縋りついていた。



