わたくしだけが知るライル様。
わたくしだけを見つめて甘く愛を囁き、キスのひとつひとつに愛を込めてくれる。
それだけでわたくしはライル様に愛されていると実感できる。だからこそ拒否なんてできないのだ。
ずっとずっと片思いだと思っていた、あの時の悲しさや寂しさを知っているから。
「もう、ライル様っ……!」
抵抗しようとしても、キスを落とされればふにゃりと力が抜ける。
そもそも本気で抵抗する気もないから、ライル様もキスをやめる気配がない。
「愛しいリア。こんなかわいい顔を僕だけが知っていると思うと、ゾクゾクするな」
「っ! ふ、深いキスは本当にダメです!」
ライル様が猛獣のような獲物を狙う気配に変わると危険だ。
こういう時のライル様は、わたくしがフラフラになるまで貪るように喰らい尽くす。
「……リアは僕のキスが嫌なのか?」
「その聞き方はずるいですわ……」
最近のライル様はわたくしが弱いポイントも心得ていて、的確に追い詰めてくるのだ。
「リア、愛してる」
耳元で、わたくしが欲しくてたまらないというように囁く。そんな切なそうな声で愛を告げられたら抗えるわけがない。
わたくしがどれほどライル様を想っているか、それを知っているのだから確信犯に違いない。
「わたくしも……ライル様を愛してます」
わたくしの言葉に妖艶に微笑み、深い深いキスを落とされて、この日もライル様に翻弄された。



