とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「ラ、ライル様っ! 待って、あのっ……!」
「僕のリア、愛してる。かわいい。僕だけのリア」

 ダメだ、ライル様が正気をなくしたようで暴走していた。
 このまま流れに身を任せたら、まずいことはなんとなくわかる。

「ライル様っ!! これ以上はダメですわっ!」

 わたくしの大声で、ライル様がハッと我に返り身体を起こして、慌ててわたくしの手を引いてくれた。

「すっ、すまない! リアがあまりにも愛しくて、こう抑えがきかず……すまない、もう触れないから捨てないでくれ!」
「お待ちください、捨てたりしませんし、嫌ではないのです!」

 いつかのようにライル様が半泣きでわたくしに縋ってくる。

「え? 僕がこんな風に強引にしたから嫌だったのではないのか?」
「ライル様に触れられるのは嫌ではありません。ですがこれ以上は恥ずかしくて無理ですわっ!!」
「そう、か……すまない。そうか、触れるのは嫌ではないのか」

 ホッとしたように眉尻を下げるライル様の様子から、もしかしてずっと不安を感じていたのかもしれない。そんな風に悩ませていたなら申し訳なく思う。
 だって、わたくしもライル様にたくさん触れたい。

「はい、ですから……」

 わたくしからライル様に触れるだけの口づけを落とす。

「これくらいの触れ合いなら、いつでも大歓迎ですわ」

 みるみる赤くなるライル様がかわいらしくて、たまにはわたくしから口づけをしてみようと思った。