一気に機嫌が急降下してしまった。それもしかたない。きっとそのお相手様に被害が及ばないようにしたいのだろう。
「安心してください。わたくしはライル様が他の方にお心をうつされても、邪魔などいたしません。ただ……わたくしが勘違いしていると不都合があるかと思いましたので、先に確認したかったのです」
「リア、だからなんの話をしているんだ?」
これでもライル様は打ち明けてくれない。そんなに大切に思われているということだ。
グッと奥歯を噛みしめてわたくしは込み上げてくるものを堪えた。
「最近……ライル様の様子がいつもと違いましたので、他にお慕いする方ができたのだと思ったのですわ」
「なっ、そんな相手などいない! 僕が愛してるのはリアだけだ!」
「隠さなくても大丈夫です。わたくし常に覚悟してましたので、潔く身を引きますわ」
「どうしてそうなるんだ!? 僕はリア以外を愛することはない! どうして身を引くなんて——」
ライル様の言葉が途切れる。
堪えていた涙がポタポタと頬をつたってしまった。一度決壊したら、もう止められない。
屋敷に帰るまで堪えるつもりだったのに。
「だって……ライル様は、朝もランチも……わたくしと触れ合うの避けていらっしゃったし、い、一度、膝に乗せて頂いたら……ため息をつかれましたわ……」
「あ、あれは……」
「ですから、きっと……わたくしと婚約解消したいのだと……」



