とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。

     * * *

 収穫祭が終わって、王都は一段と寒くなり冬が間近に迫っていた。
 これからの季節は寒さを理由に寄り添うカップルが増える。なのに最近はライオネル様の様子がおかしかった。

「リア、おはよう。今日も美しく可憐だ」
「ライオネル様、おはようございます。相変わらず素敵すぎますわ」

 ここまではいつも通り。問題はこの後だ。

「では、リアはこちらに座ってくれ」

 そう言ってライオネル様はわたくしの向かい座席に腰を下ろす。
 これまでは散々馬車の中でもイチャイチャしていたのに、今は一定の距離を保っていた。これが普通の婚約者同士の距離なのでおかしいところはない。そう、普通ならだ。

 残念ながら、わたくしとライル様はラブラブバカップルなので、むしろこの状態が異常と言える。

「ライル様、あの……以前のようには、してくれませんの?」

 わたくしははしたないと思いながらも、ライル様に尋ねてしまった。自分からライル様の膝に座りたいと願うなんて、本当に恥ずかしい。

「っ! いや、あれはちょっとやり過ぎだったと反省したんだ。だが、リアが嫌でないなら僕の膝に座ってほしい」