「いいですか、ベストなのはハーミリア様に空気で察してもらって、ご対応いただくことです。ハーミリア様が目を閉じて待ってくだされば、さすがにライオネル様も本懐を遂げられるでしょう?」
「リアが瞳を閉じて……う、うん、大丈夫だと、思う」
まずい想像しただけで、心臓がバクバクとうるさい。僕を見上げて瞳を閉じたリアはなんて危険なんだっ!
「はー、あんまり気が進みませんが練習しますか?」
「頼めるのか!?」
「ライオネル様のためですから、協力しますよ」
嫌そうなジークには申し訳ないが、やはり練習しないと自信がないので頼むことにした。
「それじゃあ、私がライオネル様役を一旦やりますから、その後同じように私にやってみてください」
「わかった」
僕の方が身長が高くてやりづらいという理由で、ジークは立ったままで僕はソファーに座ったまま教えてもらう。確かにリアは僕の肩より少し低いくらいだから、この高さがちょうどいいようだ。
「くっそ、これがお嬢様なら役得なのに……ていうかいっそ実地訓練するのに……!」
ジークがなにか呟いているけど、よく聞こえない。きっとジークなりにいろいろと考えくれているのだと思う。



