「もちろんですわ。ライル様が嫌だと言ってもそばにいますわ!」
そんな風に僕の不安を包み込むリアには、きっとこれからも敵わない。
僕のリア。僕の女神。
「リア、愛してる」
愛してる以上の言葉があるなら今すぐ知りたい。
こんな僕でもいいと受け入れてくれるリアがいる奇跡に、心の中で感謝する。
「わたくしも、ライル様を愛してますわ」
柔らかな身体を抱き寄せて、僕のマントで包み込んだ。リアの花のような甘い香りと背中に回された手が温かくて、それだけで幸せだった。
あの後、ジュリアス様たちと大広場の外で合流して、帰りの馬車に乗り込んだ。ジュリアス様たちも楽しんだようで馬車の中は平和でほんのり甘い空気が流れていた。
リアをマルグレン伯爵邸に送り、屋敷に戻ってきた僕はジークを呼びつける。
「ジーク、問題が発生した」
「問題? どうなさいました? 詳しく聞かせてください」
僕は今日リアと過ごした時間を簡潔に伝えた。
そして僕の密かな目標を知るジークは、話しを聞き終わると思いっ切り呆れ返った様子でため息をついた。
「はあ!? そんなシチュエーションでキスができなかった!?」
「うん……いや、もう感極まってしまい、それだけで胸いっぱいで……」
「ええー……その空気でキスできなかったらいつするんですか?」



