「そうですわね。陰ながらわたくしも協力いたしますわ。でもシルビア様もお気持ちも大切にしたいので、無理強いはしませんけれど」
「そうだね。ジュリアス様がシルビア様に振られたら、その時は僕が慰める」
「ふふ、ライル様なら適任ですわ」
それからわたくしたちは気になる出店を回って、ゆっくりとふたりの時間を楽しんだ。
ライル様は本当に素敵だから、近くの女性が熱い視線を送ってきたけれど、まったく気にすることなく真っ直ぐにわたくしだけ見つめてくれる。
その一途さに嬉しくなって、わたくしはますますライル様を好きになるのだ。
時々、周囲に冷酷な視線を向けているけれど、これだけ人が多いからなにかあるのかもしれない。
そうこうしているこうちに、わたくしたちは祭壇の前にやってきた。
大広場の中央に収穫祭のために豊穣の女神像が置かれ、その周りに農作物を供えて色とりどりの花が飾られいる。その色合いはまるで七色の花畑のように、明るく華やかだ。



