とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「ライル様、わたくしは淑女としてあるまじき行為をしてしまいましたので、自宅謹慎いたします」
「えっ! いや、リアは悪くない! もう二度どこんなことが起きないように牽制した僕の責任だ!!」

 謹慎すると言っているだけなのに、ライル様が慌て出す。冷静になって周りを見渡せば、お父様は遠くを見つめていて、お母様は満面の笑みを浮かべていた。

 他の貴族の方々も、やれやれとため息をついたり、ライル様の様子に目を丸くしたり、キラッキラした瞳で頬を染めたりと様々な反応を見せている。

 ちなみにシルビア様も参加されていて、わたくしと目が合ったらさりげなくグッジョブされた。クリストファー殿下は、真っ白に燃え尽きた灰のようになっている。キスシーン(あんなもの)を見せてしまったせいだろうか……本当に申し訳ない。

「殿下、これで僕たちはラブラブバカップルになれたでしょうか?」
「は? なに、ラブラブバカップルって。そんなものを目指していたのか?」

 王太子殿下が思わず素で聞き返していた。いきなりラブラブバカップルと言われたのに、真面目に対応してくれる殿下は本当に懐が深いと思う。

「はい、僕とリアの間には何人たりとも入り込めないと、知らしめる必要があったのです」
「あー、そう。うん、もう十分すぎるほどラブラブバカップルだ。私が保証する」