涙が止まり落ち着いて周りを見れば、わたくしとライオネル様の周りには結界が貼られているようで、近衛騎士たちは透明の壁に阻まれて手が出せなようだった。
「ライル様、この濃紫のローブは気のせいでなければ、マジックエンペラーのものではございませんか?」
「ああ、そうなんだ。僕とリアの邪魔をする者がいるからマジックエンペラーになれば、誰もなにも言わなくなると思って認定試験を受けてきた」
わたくしの言葉にライル様は、なんでもないことのように答えた。
「お待ちくださいませ。マジックエンペラーはそんなに簡単に取れる資格ではございませんわ。それをわたくしのために……?」
「当然だろう? 僕はリア以外を妻にするつもりは微塵もないのだから」
あああああっ !! わたくしのライオネル様が尊すぎて、悶絶どころではないですわー!!
ここにベッドがあったら、間違いなくダイブしてのたうち回ってますわ——!!
「ライオネル様、その女から離れてくださいませ!」



