とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「リアは今なにをしているのか……そうか、そろそろキャンピングスクールだっだな。海辺を一緒に散歩したかった……」

 王女がこのタイミングで脅してこなければ、波打ち際で戯れるリアを堪能できたものを……いや、人のせいにしてはいけない。僕が不器用で時間がかかっているのがいけないんだ。
 待て、転移魔法を使えるようになったら、いつでもリアと海辺で散歩できるのではないか!?
 そうだ! ランチタイムもふたりっきりの時間が増えるんだ! 
 転移魔法でリアとふたり、どこへでも行けるんだ!!

 そんな風に挫けそうな心を自分で励まし、炎属性の魔法も極め、聖属性の魔法も極め、ついに転移魔法の魔法を使いこなせるようになった。

 気が付けば他の属性のコントロールも以前よりうまくなっていて、魔法に関しては誰にも負けないような気がする。
 他のマジックエンペラー相手ならわからないけど、まあ、いい勝負ができると思う。

「やっと会える……リア!」

 僕は転移魔法でマジックエンペラーの認定を受けるべく、魔法連盟に転移した。