とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「すみません、ここで認定魔道士の試験を受けられると聞いてきたのですが」
「はい、受けられますよ。初めての受験ですか?」
「そうです、マジックエンペラーの認定試験をお願いしたい」
「えっ!? 初めてでマジックエンペラーですか!?」

 女性の声に周囲の注目が集まる。
 一分でも早くリアのもとに帰るため、最短でマジックエンペラーを目指したいので余計なことをしている暇はないのだ。

「ええ、条件などはありますか?」
「あ……いえ、ここまで自力で来られた方なら大丈夫ですが、マジックエンペラーの試験は特殊で事前にこちらの書類に署名をいただくことになっています」

 受け取った書類には、試験中になにが起きても自己責任で、万が一死んだとしても魔法連盟は責任を負わないと書かれていた。そんなことなら問題ないと、サラサラと署名する。

「では、これでお願いします。今すぐ試験を受けさせてほしい」
「は、はい……少々お待ちください」