とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。

     * * *

 ——まだ足りない。
 僕の愛する人を守るために、まだ足りないものがある。

 ありとあらゆる害悪を排除する方法はないのか?
 そこで導き出された答えはひとつ。王族が権力や立場を使って害してくるなら、それ以上のもので叩き潰せばいい。

 僕は基本的に争い事は苦手だけど、リアを傷つける存在なら話は別だ。
 彼女の一片の曇りもない笑顔を守るためなら、全力で敵を排除する。
 それができるのは、この世界で認められる至高の存在。魔法連盟が認定する『マジックエンペラー』だけだ。

 あらゆる王族や皇帝までもが(ひざまず)き、魔法連盟に所属する魔道士たちを束ねるこの世界の神。
 リアをこの手で守るため、僕は神になる。