手首で揺れるブレスレットにそっと触れれば、ライル様が真っ赤な顔で誕生日プレゼントだと渡してくれた記憶が蘇る。
本当に不器用ではあったけれど、ライル様は一生懸命わたくしに愛を伝えてくれていた。
「十年間ずっと、わたくしの婚約者として、わたくしのためにライオネル様は努力してくれました。そんな深い愛を他に知りません」
「……それは能力が低いから、努力するしかなかったんだろう!」
「クリストファー殿下。貴方はわたくしをほしいと言いながら、そのためになにをしましたか?」
「なにって……ずっとそばにいたし、守ってきたではないか!」
そこにわたくしの意志は必要なかった。わたくしが断れないとわかっていて、ご自分のやりたいようにされていただけだ。
「確かに、わたくしの忍耐の上でですが、それは感謝いたします。ですがマリアン王女と画策して、無理やりわたくしを婚約者にしましたね」
「そうだ! どんな手を使っても、俺はお前を妻にしたかったんだ!」
「ライオネル様ならこんな時ほど、ご自身を磨かれますわ」
いざと言うときは、わたくしを守れるように魔法の腕を磨いたライル様。



