とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。

     * * *

 マリアンがなにか新たに企んでいるのは、兄としてわかっていた。
 これでも王太子教育を受けてきて情報収集や人心掌握の術も学んでいる。だから私は周りの有能な人材を大切にしてきたし、各所に配置している私の手のものから報告を受けていた。

「ふーん、なるほど。いよいよマリアンにはお仕置きが必要だな」
「他にも今までのハーミリア・マルグレンに関する不当な噂や、ドリカ・モロンの騒動も裏で糸を引いていたのはマリアン様です。証拠はこちらです」
「必要であれば私たちが証言もしますわ」
「うん、その時は頼むよ。ローザもテオフィルも、それまでは今まで通りに動いてくれ」
「「承知しました」」

 マリアンの取り巻きとして配置していたのは、王家に絶対の忠誠を誓うトライデン公爵家とシュミレイ辺境伯の者たちだ。入学する前から手を回し、監視も兼ねてつけていた。

 生徒会室をマリアンに使わせていたのは、その方が監視がしやすかったからだ。私が王族しか使えない貴賓室を使うことで気が緩んだのか、マリアンはさまざまな悪事を生徒会室で働いてきた。