私はハーミリアに今日は生徒会の仕事がないと告げて、クリストファー殿下がひとりになるタイミングを狙った。
ハーミリアが迎えの馬車に乗り込むのを見届けたクリストファー殿下は、名残惜しそうに馬車を見送っていた。
一時的なものなのに、随分と心を寄せているように見えるけど、私は気にせずその背中へ声をかけた。
「クリストファー殿下」
「……ああ、マリアン王女か。なにか用か?」
「ええ、ハーミリアについて少し相談がございますの。お時間いただけますか?」
「わかった」
生徒会室へやってきた私は、早速本題に入る。
「ハーミリアに婚約者がいるのはご存じかしら?」
「ああ、一度も姿を見たことがないが、そうらしいな」
「ハーミリアの婚約者であるライオネル様は今、私との婚約を整えるために準備されてるの。だからハーミリアはそのうち婚約を解消されるわ」
「そうなのか!?」
やっと皇子が食いついてきた。ここで皇子をうまく煽って、ハーミリアとの仲をすすめるように焚きつけるのよ。



