とある事情で無言になったら、超絶クールな婚約者様が激甘溺愛モードになりました。


「へえ、そんなことを考えていたのか。俺はハーミリアを口説き落とすまでは帝国に戻らないから、無駄だな」
「無駄ではないと思いますわ。きっとわたくしの本性を知ったら、興醒めされますわよ?」
「それでは、誰も知らないハーミリアの本性とやらを見せてもらおうか」
「不敬に問われないのであれば」
「いいだろう、好きにやってみろ」

 やったわ! 不敬罪に問われないなら、もう少し突っ込んだ発言もいけそうですわ!

「それでは遠慮なく。クリストファー殿下、さっさと帝国へお戻りくださいませ」
「ははっ、これはまたストレートに言うな」

 クリストファー殿下は食事が済んで、空になった食器が載ったトレーをテーブルの端にずらす。食後のお茶だけ手前に置いてわたくしを真っ直ぐに見つめてきた。

「ですが、二学年上のクリストファー殿下がわたくしと同じ授業を受ける必要はないかと思います。それなら母国へ戻り国のために尽くすのがよろしいのでは?」
「ふむ、妻を探すのも大事な役目だと思うが」
「それであればなおさら、わたくしにかまっている暇などございませんでしょう? 幸い我が国の第三王女マリアン様も婚約者がおりませんし、そちらにアプローチした方がよほどメリットがございますわ」