少しずつ学院内を案内して、ランチタイムは時間があるからと校舎の端にある施設まで足を伸ばした。
「こちらが職員室で、こちらが生徒会室。その先にこの国の王族だけが使える貴賓室があります」
「学院内はこれくらいか? 外の施設も案内を頼めるか?」
「はい、承知しました。こちらです」
わたくしは心を無にして、淡々と案内をしていく。途中でいつものようにわたくしの悪い噂を口にしているご令嬢たちに出会ったけど、今はそれどころではないので放っておこうと受け流していた。
次に魔法練習場を案内しようと外に出たところで、中庭から戻ってきた女子生徒たちにも悪口を言われる。
「やっぱり、あの時の……! 私の直感は当たっていたのね!」
「ライオネル様が可哀想だわ、あんなアバズレの婚約者だったなんて」
「だから捨てられたのよ。今はマリアン様が婚約者なのでしょう?」
あの時海辺でやり込めたご令嬢たちだった。しかもその直感は大外れである。
わたくしとライオネル様は婚約解消なんてしていない。その噂はどこから流れてくるのか、日に日に勢いを増している。



